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頼み上手は恋上手Ⅲ

続編です。

(6)忙しい人に頼む時は

デキる人には仕事が集中し、必然的に忙しくなる。しかし大事な仕事であればあるほどデキる人に頼みたい。そんなデキる人に時間を割いてもらいたいなら面会時間は「30分ほど」とか「小一時間」などと曖昧な言い方ではなく「15分だけ頂戴できますか」と区切った方がよい。この表現は、けじめのある人間という好印象を相手に与える。また、面会時間を短めに伝えることで、忙しい自分の立場を考慮してくれているという印象も与えられる。この誠実さによって、相手は心を開くのだ。

(7)依頼内容に不平や不満を言ってきたら
依頼内容に不満を抱いている時は、正面から反論するのは逆効果。お互いの主張を言い争う最悪の結果になってしまう。こんな時はとにかくじっくり相手の言い分に耳を傾けよう。「どこが良くないのか詳しく教えていただけますか」などとこちらから質問して、相手の考えを引き出せればさらによい。相手は自分の言い分を吐き出すことで頭の中を浄化・整理させて、こちらの言い分を理性的に聞けるようになる。相手が吠えている時ほど、冷静に話を聞くことが重要。

(8)困難な依頼の前には、より困難な依頼を持ちかける
かなり難易度の高い頼み事で「これは難しいかな」という時は、さらに受けてもらえそうにない、より困難な依頼をしてみよう。そうすることで、本来の頼み事がそんなに難しいことには思えなくなる。さらに、最初の依頼をあえて断らせることで、相手に罪悪感を持たせることができる。相手は前回断った後ろめたさがあるので、最初の依頼より簡単に見える本来の依頼を、引き受けてくれることがある。

(9)連帯意識で引き受けさせる
欲得抜きで依頼を承諾させるテクニックがある。それが連帯意識を利用する方法だ。例えばライバル社の製品Aに対抗するため、新製品のデザインを誰かに依頼しなくてはならないとする。そんな時は製品Aのデザイナーとライバル関係にあるデザイナーに依頼するのだ。「あなたならライバル以上の仕事ができる」と相手の自尊心をくすぐり、敵愾心に火をつけよう。敵の敵を利用して連帯意識を持たせれば、相手も引き受けてくれやすい。

(10)悪天候を味方につけろ
悪天候の時、人は行動が消極的になりがちである。だからこそ悪天候を利用できるのだ。誰もが外に出たくないと思っている天候の日に、あえて依頼する相手のところへ行けば、相手は「わざわざこんな天気の中ご苦労さまです」とねぎらってくれるばかりではなく、こちらに対して心理的負い目を感じる。その負い目があると、依頼を引き受けようかという気持ちになりやすいのだ。悪天候は絶好の依頼日和なのである。

渋谷昌三氏

目白大学人間社会学部教授

Shouzou Shibuya

1946年生まれ。学習院大学卒業、東京都立大学大学院博士課程単位取得満期退学。心理学専攻、文学博士。山梨医科大学教授を経て現職に。非言語コミュニケーションを基礎とした「空間行動学」という新しい研究分野を開拓。

 

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