
恋愛や結婚生活において、「このくらい言わなくても分かってくれるはず」と思ってしまう場面、ありませんか?
日本人には「以心伝心」という美しい言葉があります。
心と言葉が一致していなくても、相手を理解しようとする文化は素晴らしいものですが、こと男女の交際初期においては、これが大きな誤解の原因になることも少なくありません。
実際、私自身もそんな「以心伝心」に頼って失敗した経験があります。
我が家では、お風呂の温度調整を妻に頼むのが日常になっています。
我が家のお風呂は追い炊きができないタイプなので、最初に高めの温度でお湯を張り、浴槽が温まったら「平温」に設定し直してシャワーを使います。
ところが、長年の習慣に甘えて、つい「温度を下げておいてね」と伝えるのを忘れてしまうことがあります。
そんな時に限って、しっかり高温設定のままになっており、結果、熱湯を頭から浴びてしまうという失敗に…。
「いつものことだから、言わなくても分かってくれているだろう」
――この油断が、ささやかな生活の中でも意外と大きなズレを生むのです。
これは恋愛中のカップルにも、よく見られる光景です。
ある男性会員さんは、交際中の彼女に「今ちょっと仕事が立て込んでいて、余裕がない」と伝えたそうです。
ところが、彼女の方は「最近連絡が少ない」「メールの返信も遅い」と不安を募らせ、しまいには「私のことどう思ってるの?」と詰め寄るようになってしまったとか。
男性は「忙しいって言ったじゃないか」と戸惑い、
女性は「忙しいなら、メール1通くらい送れるでしょ?」と不満顔。
このすれ違いの原因は、“自分の気持ちは伝わっているはず”という思い込みです。
まだ交際が始まって間もない2人に、以心伝心は成立しません。
親子や夫婦のように長年連れ添った関係ならまだしも、数か月の付き合いで「察してほしい」というのは、やはり無理があります。
大切なのは、自分の状況や気持ちを具体的に言葉にして伝えること。
「今週は月末で仕事が立て込んでいるから、すぐに返信できないかも。でも落ち着いたら必ず連絡するね」と一言添えるだけで、相手の安心感は全然違います。
結婚相談所でも、交際中のすれ違いや誤解についてご相談を受けることがよくありますが、多くは「伝える努力の不足」が原因です。
「言わなくても分かってくれるだろう」という甘えが、信頼関係を壊してしまうこともあるのです。
恋愛も結婚も、最初は「以心伝心」ではなく「丁寧な言葉のキャッチボール」が基本。
思っているだけでは伝わりません。
「伝えよう」とする姿勢が、お相手との信頼を育てる第一歩です。
以心伝心は、関係が深まってからのお楽しみにとっておきましょうね。
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