
2015年版、国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」が発表した“母親になるのに最適な国ランキング(Mother’s Index)”によると、日本は179カ国中32位という結果でした。
このランキングは、妊産婦の健康、女性の社会的地位、子どもの福祉など複数の視点から評価されています。具体的には以下のような指標が用いられました:
主な評価項目
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妊産婦死亡のリスク
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医療従事者の立会いのもとでの出産
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女性の平均寿命
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女性の教育年数
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男女間の賃金格差
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育児休業制度の有無と内容
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女性の政治参加率
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子どもの死亡率や栄養状態
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教育へのアクセスと就学率
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安全な水の利用状況 など
特に9〜15の「子どもに関する指標」では日本は上位に位置し、8位という高評価を得ています。教育や乳幼児医療、安全な水へのアクセスなど、子どもにとって良好な環境が整っていると評価されました。
一方で、総合順位が32位にとどまった主な要因として、「女性の政治参加の少なさ」や「男女間の賃金格差」が指摘されています。
日本は本当に「母親にとって生きやすい国」?
欧米諸国ではDV(ドメスティック・バイオレンス)や格差社会の問題が根深く、表面の指標だけでは見えてこない課題も多くあります。もちろん、日本にも課題はありますが、次のような点で比較的安全で安心できる環境があるのも事実です。
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治安の良さ:子どもが一人で公共交通機関を利用することも珍しくありません。
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教育水準の高さ:学校教育や塾文化、デジタルリテラシーも含め、世界的に見ても高度です。
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医療へのアクセス:国民皆保険制度が整っており、妊婦健診や出産費用の助成も手厚い。
また、女子高生の独自のサブカルチャーやSNS文化が世界から注目を集めるように、日本の若年層は大人とは違った「自分たちの世界」を自由に築いています。こうした文化的自由も、日本が比較的子どもや女性にとって「息苦しくない社会」であることを示しています。
これからの課題と希望
とはいえ、日本も課題がないわけではありません。
政治や企業における女性の登用、出産後のキャリア支援、家事・育児の男女平等など、まだまだ改善すべき点は多く残されています。
それでも、日本は他国に比べて治安も良く、医療や教育制度が整った国です。これから出産や子育てを考えている女性の皆さんには、安心してその一歩を踏み出してほしいと思います。