
最近では、親御さんが積極的に婚活に関わるケースが増えてきました。
特にお母さまが動いてくださることで、実際にご成婚へとつながる方もいらっしゃいます。ありがたいことですね。
ただ、興味深いことに「お父さまがご健在」であるご家庭の方が、比較的スムーズに話が進む傾向があるようです。
お母さまの関心がご本人に一点集中しすぎないからかもしれませんね。
こんなエピソードがあります。
以前、どうしてもご縁が結べなかった40代後半の男性会員さんがいました。
ご家庭は“母ひとり子ひとり”の構成で、入会から面談まで、いつもお母さまと一緒にいらっしゃっていました。
お母さまは当時80歳くらい。
息子さんが選ばれるお相手は、ごく一般的で常識的な女性でしたが、お母さまのご希望はまるで別世界。
モデルさんのように容姿端麗な方、あるいは女医さんなど、非常に高い理想をお持ちでした。
何度もお母さまと面談を重ね、「理想を少し現実的にしませんか?」とお伝えしましたが、ついにそのご希望が変わることはありませんでした。
なぜなのでしょうか?
私たちの結論はこうです。
お母さまは“世間体”のために、息子さんを結婚相談所に入会させました。
周囲の目(その地域は兼業農家が多いそうです)も気になっていたのでしょう。
でも実際は、息子さんとの二人暮らしが心地よく、ずっとこのまま一緒にいたいと心の奥で感じていたのかもしれません。
結果的に、結婚が決まらないよう無意識に“高望み”をさせていたのかもしれないのです。
だって、考えてみてください。
収入の心配もなく、老後の世話もしてもらえる。
気を使う嫁姑関係もない。
お母さまにとっては「最高の人生」なのかもしれません。
――ビバ・エンジョイ!世間体さえクリアできれば、理想の老後生活です。
女性の場合でも似たような例があります。
「一卵性母娘」と言われるような、まるで親友のようにべったりとした親子関係や、いわゆる“パラサイト・シングル”に近い形の娘さんが入会されることもあります。
お母さまの中には、娘さんに自分の「70%の幸福」までしか認めない、というような考え方の方もいらっしゃるようで(これは実際に書籍にもなっています)。
父親は子どもの自立を後押しする傾向がありますが、母親は「このままでいいのでは」と現状維持を望みがち。
でも――独立しなければ、結婚はなかなか難しいのです。
特に「一卵性母子」のまま結婚した場合、相手の男性が関係性に疲れて離れてしまうケースもあります。
親が子どもを大切に思う気持ちは自然なことですが、自分のために可愛がるのではなく、子どもの未来のために“少し突き放す”ことも、親としての愛情かもしれませんね。
…ちょっと辛いですけれど。
ちなみに、43歳を過ぎると「高齢独身者」と定義されることもありますが、私は結婚に“年齢のリミット”はないと信じています。
心も体もきちんと自立していれば、何度だってチャンスは巡ってきます。
あなたにも、まだまだ素敵な出会いが待っています。
さあ、一緒に一歩ずつ進んでいきましょう!