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過去を手放したとき、新しいご縁は動き出す

6月に入り、少しずつ清水公園のアジサイも色づき始めました。

雨のない朝夕はひんやりとして心地よく、思わず深呼吸したくなるような爽やかな季節です。

自然は季節が来れば迷うことなく花を咲かせますが、人の心はそう簡単にはいかないものです。

 

婚活のご相談を受けていると、過去の恋愛や失恋を心のどこかで引きずり、新しい出会いに踏み出せずにいる方が時折いらっしゃいます。

「もっとあの時こうしていれば…」

「なぜあんな別れ方になってしまったのだろう…」

「次も同じ失敗をするのではないか…」

そんな思いが頭の中を巡り、前に進みたい気持ちはあるのに、一歩が踏み出せなくなってしまうのです。

しかし、人生を振り返ってみると、過去は変えられません。

どれほど後悔しても、時計の針を戻すことはできないのです。

だからこそ大切なのは、「過去から学ぶこと」と「過去に縛られること」を区別することではないでしょうか。

 

私の好きな歴史上の人物に勝海舟がいます。

坂本龍馬の師としても知られ、山岡鉄舟、高橋泥舟とともに「幕末の三舟」と呼ばれた人物です。

その勝海舟が好んで使った言葉の一つに「座忘(ざぼう)」があります。

海舟は、

「何事もすべて忘れてしまい、胸中にわだかまりを残さない境地に至ってこそ、物事を正しく判断できる」

という意味でこの言葉を語っていました。

人は心の中に不安や後悔を抱え続けると、知らず知らずのうちに心のエネルギーを消耗してしまいます。

「ああすればよかった」

「こうしておけば違う結果だったかもしれない」

そんな思考を何度繰り返しても、現実は何一つ変わりません。

むしろ気力だけが失われ、大切な判断力まで鈍ってしまいます。

 

婚活でも同じことが言えます。

お見合いが決まれば、

「うまく話せるだろうか」

「断られたらどうしよう」

交際が始まれば、

「また傷つくのではないか」

「本当にこの人でいいのだろうか」

と、まだ起きてもいない未来を心配し始める方もいます。

けれども、未来は誰にも分かりません。

心配している時間の長さと、良い結果が出る確率は決して比例しないのです。

むしろ、余計な不安を手放し、目の前のご縁を大切にできる人ほど、自然体の魅力が相手に伝わります。

 

昔から「止水明鏡(しすいめいきょう)」という言葉があります。

波ひとつ立たない静かな水面に、鏡のように物事が映る状態を表した言葉です。

心が騒いでいると、目の前の現実を正しく見ることができません。

反対に、心が静かで落ち着いていると、自分に必要なことや進むべき方向が自然と見えてくるものです。

人生には「潮目」があります。

海の流れが変わるように、人の運気や環境にも必ず転機が訪れます。

今は思うようにいかなくても、いつまでも同じ状況が続くわけではありません。

実際にご成婚された会員さんの中にも、

「もう結婚は無理かもしれない」

「良い出会いなんてないと思っていた」

と話していた方が、その数か月後には素敵なパートナーと巡り会い、幸せな家庭を築いているケースがたくさんあります。

10年後、20年後のことを正確に予測できる人は誰もいません。

だからこそ、まだ来てもいない未来を恐れるよりも、今日という一日を大切にすることの方がはるかに重要なのです。

 

肩の力を抜いてください。

過去の失敗も、失恋の痛みも、すべて今のあなたを成長させるための経験だったはずです。

アジサイが雨の日も晴れの日も黙って花を咲かせるように、私たちも焦らず、自分の歩幅で前へ進めばよいのです。

きっと、あなたにも良い潮目はやってきます。

 

その時にしっかりとご縁をつかめるよう、今日という一日を大切に過ごしていきましょう。